著しく低い価額の判断基準

はじめに

「著しく低い価額」とはどの程度のことをいうのでしょうか。

何と比べて低いと判断するのか

著しく低い価額かどうかは、時価と比較して判断します。税務上の時価は、その売主と買主が個人間でおこなわれる取引なのか、当事者に法人がいる場合とによって適用する税法が異なります。つまり、売主と買主の組合せによって適用される税法が異なるのです。

例えば、非上場株式の評価について客観的交換価値である時価を把握することは困難なため、相続税、所得税、法人税の各基本通達等でその時価の算定方式を定めています。著しく低い価額にあたるかどうかを判断する際には、適切な税法(どの税法を適用するのか)を選択適用することが重要です。

 

取引主体の組合せと適用する税法

「著しく低い価額」とはどの程度のことをいうのでしょうか。

個人間の取引に適用する贈与税では、その具体的な数値基準を設けておらず、個別に、個々の取引の事情等を総合的に勘案し判断することになってます。

過去、所得税と同じように時価の2分の1未満の場合に著しく低いとして取り扱うとの定めが設けられていたのですが、数値基準を悪用するケースが見受けられたためその数値基準が廃止されたという経緯があります。

なお、不動産の場合について相続税評価額による売買価額(時価の80%以上)、非上場株式の場合において時価の4分の3以上(時価の75%以上)の価額は、原則として著しく低い価額にはあたらないとした判示があります。

当事者に法人がいる取引の売主又は買主の個人に対して適用される所得税法では、時価の2分の1未満を著しく低い価額であるとして取り扱われます(所法59①二、所令169)。

著しく低い価額の考え方
取引主体に対する税法の考え方

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取引主体と時価の考え方