特別受益と寄与分(民法と相続税法の相違点)
民法と相続税法との相違点
特別受益・寄与分の額について、民法と相続税で取り扱う目的や対象等が、次の表のように異なります。
特に、持戻し期間が異なっているので注意しましょう。
【民法と相続税法の違い:特別受益と寄与分】
相続税法 | 民法 | |
---|---|---|
目的 | 相続税額計算 | 遺産分割 |
対象者 | 相続及び遺贈により財産を取得した者 相続時精算課税制度を選択した者 | 相続人のみ |
贈与 | 贈与 | 遺贈 特別受益(結婚や養子縁組のための贈与や生計のための贈与) |
持戻し期間 | 暦年贈与:相続開始前3年以内相続時精算課税贈与:選択した年から相続開始時まで | 相続人:期間の制限なし→10年に改正相続人以外:1年 |
持戻し金額 | 贈与時の時価 | 相続開始時の時価 |
持戻しの免除 | なし | 被相続人の免除の意思表示がある場合 |
特別受益・寄与分はあくまでも相続人間の不公平をなくすための制度であるため、特別受益および寄与分の額についてどの程度が適当であるかについては、相続人同士の協議で決める必要があります。相続人間で合意できない場合には、家庭裁判所の審判に委ねることができます。